がんとはどんな病気か?

 

「がん」とはそもそもどんな病気か、がん治療法の発展の経緯や、現在行われているさまざまな治療について、標準治療を中心に解説します。また、患者の方の視点から、現在の治療法の問題点や、がん患者と家族がかかえる困難についてもお伝えします。

 

 免疫とは何か?

 

私たちの体のなかで免疫がどのような役割をはたしているのか、さまざまな免疫細胞が連携してはたらくメカニズムなどについてお伝えします。そして、がんと免疫との関係や、免疫療法の発展の経緯や、従来の免疫療法の課題についても解説します。

 

 五つの免疫細胞をパワーアップさせてがんに勝つ!

 

5種複合免疫療法と新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法について、どんな治療法で、なぜ効果があるのかを、詳しく解説します。実際の患者さんの例をもとに、カウンセリングから治療にいたる流れをお伝えするほか、治療に欠かせない安全性や技術などの条件についてもお伝えします。

 

私ががん治療を目指す理由

 


 

私自身の免疫療法に対する思いをお伝えします。免疫療法に携わるようになった経緯や、そこで折に触れて考えたこと、患者の方とお話して感じた、がん患者にとってのほんとうのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)、ほんとうの幸せとは何か、などを記します。

 

対談「私たちが目指すがん治療」

 

5種複合免疫療法や新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法のよき理解者である、東京都の「三番町ごきげんクリニック」の澤登雅一先生との対談です。より幅広い視点から、現在のがん治療の課題や今後の方向性、5種複合免疫療法や新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法が切り拓く未来への希望について語ります。

 

右の内容のうち、5種複合免疫療法や新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法について詳しく触れている、この本の肝といえるのは第三章です。すでにがんや免疫療法についての知識をお持ちの方は、第一章、第二章は飛ばして、第三章から読んでいただいてもかまいません。さらに、第四章、第五章をお読みいただければ、免疫療法やがん治療についてより深く理解し、納得していただけると思います。

 

「私は、がんで幸せだ」

 

免疫療法にかんする本を書かないかという依頼は、これまでも何度かいただいていました。しかし、断り続けていました。なぜなら、私があえて本を書かずとも、近いうちに免疫療法が標準治療の一つとして認められる日がくるだろうと考えたからです。

 

免疫療法をめぐる状況は、近年、大きく変わりつつあります。ほんの数年前まで、免疫療法はがん治療の世界でまったくといっていいほど認められていませんでした。がん患者の方が、治療を受けていた病院の医師に、免疫療法を受けたいという希望を伝えたところ、「それなら私は治療できません。出て行ってください」といわれたという話も聞きました。

 

ところが、私たち以外にも多くの施設が研究を進めた結果、その効果や可能性が明らかになり、いまでは、大学病院のなかにも、免疫治療を取り入れているところが出てきました。免疫療法が「第四の療法」として認められる日もそう遠い日のことではないでしょう。

 

しかし、変わった大きな要因は、私自身ががんになったことです。まず中咽頭がんが見つかり、検査していくうちに原発性の食道がんも見つかり、首のリンパ節への転移も見つかりました。手術を受け、抗がん剤を使用し、放射線治療も受け、現在、新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法を行っています。

 

こうして治療を受けながら、私は、「あなたは、がんで幸せだ」と私がいい続けてきたのは間違っていなかったと、日々、確信を深めています。がんと告知されたときも平静に受け止められ、前向きな気持ちで治療に取り組めました。そして、自分の人生をじっくりと振り返り、これからの人生を見つめ直して、「私は、がんで幸せだ」と実感しています。

 

正直に申し上げると、がんになる前は、「がんにかかったらどうしよう?」という不安が心のなかに存在しました。ところが、がんとわかってから、そんな不安は消えてしまいました。そういう意味では、がんとわかったほうがわかる前よりも幸せといえるかもしれないなと、新しい発見もしています。

 

そして、そんな満ち足りた気持ちのなかで、「本を書こう」という気持ちがふくらんできました。たしかに、いつかは免疫療法が第四の治療法として認められ、5種複合免疫療法や新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法が広まる日がくるかもしれません。

 

しかし、いまも、5種複合免疫療法や新樹状細胞獲得免疫ワクチン療法のことも知らずに、「がんで幸せ」とはほど遠い気持ちで過ごしていらっしゃる方が、たくさんいます。そうした方たちのためにも、私自身が本を書き、一人でも多くの方に、「がんで幸せ」と実感してもらいたいという気持ちが心の底から湧いてきたのです。